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中間貯蔵施設 受け入れまでの経緯は

福島県の佐藤知事が建設を受け入れる考えを政府に伝えた中間貯蔵施設とは、具体的にどういったものなのでしょうか。

中間貯蔵施設は、福島県内の除染で出た土や草木、それに放射性物質の濃度が1キログラム当たり10万ベクレルを超える焼却灰などを県外で最終処分するまでの間、保管します。
施設のうち「土壌貯蔵施設」は、除染で出た土などを保管するもので、周りに飛び散らないように上からシートなどで覆うほか、地中にしみ出した水に含まれる放射性物質を処理施設で除去することにしています。
また、除染で出た草木などは焼却施設で容量を減らし、放射性物質の濃度の高い焼却灰などについては専用のドラム缶に入れたうえで建屋の中で保管することにしています。
福島県内の除染で出る土などは最大で東京ドーム18杯分に当たる2200万立方メートルに上ると推計されていますが、今後放射線量の高い地域で除染が進むことも想定して、施設の貯蔵容量を2550万立方メートルとしています。
施設の整備には去年12月時点の試算でおよそ1兆600億円かかると見込まれていて、NHKが入手した環境省の内部資料によりますと、内訳は▽施設の建設費と建設用地の買い取りなどにおよそ5800億円、▽施設の管理運営費としておよそ4600億円、▽建設に向けた調査や設計費としておよそ200億円となっています。
環境省は事業の進捗(しんちょく)状況によって施設の整備費がさらに上積みされる可能性もあるとしています。
こうした整備費用は、全国の電力会社が電気料金に上乗せして徴収し、国に納めている「電源開発促進税」を財源とする「エネルギー対策特別会計」から支払われることになっています。

【これまでの経緯は】
東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、復興に向けて大きな課題の1つとなったのが福島県内の除染で出た大量の土などの処分でした。
政府は3年前の平成23年、除染で出た土などを最終処分するまでの間保管しておく中間貯蔵施設の建設について福島県の佐藤知事に受け入れを打診しました。
政府の方針では、除染で出た土などの搬入を来年1月から始め、その後30年以内に福島県外に運び出して最終処分を完了するとされ、具体的な設置場所の選定が進められました。
そして政府はことし3月、最終的に候補地を福島県大熊町と双葉町のおよそ16平方キロメートルとする計画案を示し、改めて建設の受け入れを要請しました。
中間貯蔵施設の建設は福島県と2つの町の了解が前提となっていて、政府はことし6月まで2つの町の住民などを対象に説明会を開きました。
説明会では住民から「先祖から受け継いできた土地を手放したくない」という意見や「中間貯蔵施設がそのまま最終処分場になるのではないか」という懸念の声が相次ぎました。
さらに説明会の最終日の翌日に石原環境大臣が記者団に対し「最後は金めでしょ」などと発言したため、地元から強い反発の声が挙がりました。
そして政府はことし7月、地元の要望を踏まえ、建設用地を買い取って全面的に国有化する方針を改め、地権者に土地の所有権を残すことができる「地上権」の設定を選べるとする新たな方針を示しました。
さらに政府は先月、地域振興や生活再建のため福島県と県内の市町村に総額3010億円を新たに交付する方針を伝えて改めて理解を求めました。
そして30日に佐藤知事は地元の町長らと会談し、建設を受け入れる考えを正式に表明しました。

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