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8月19日のニュース

氷の壁対策 充填材の効果に疑問の声

福島第一原子力発電所で地下のトンネルに流れ込んだ汚染水を凍らせて止水する工事が難航している問題で、東京電力は現状では完全に止水することは難しいとして、氷の隙間に充填(じゅうてん)材を流し込む新たな対策を行う考えを原子力規制委員会に示しました。しかし専門家からは効果を疑問視する声が相次ぎ、今後、充填材の試験結果を見たうえで実施するか判断することになりました。

福島第一原発では「トレンチ」と呼ばれる地下のトンネルに高濃度の汚染水が流れ込み、ここから地下水と混ざって海に流れ出しているとみられることから、東京電力はことし4月からトレンチと建屋が接する部分に「凍結管」と呼ばれる装置を入れて汚染水を凍らせ、氷の壁を作って止水したうえで汚染水を抜き取る計画でした。
ところが3か月たっても十分に凍らず、先月30日以降、大量の氷やドライアイスを入れる対策を取りましたが、汚染水が流れ続けていることやトレンチ内の障害物が妨げとなり、いまだに止水できていません。
このため東京電力は、氷の壁だけで完全に止水することは難しいと判断し、氷の隙間をセメントなどの充填材で塞ぎ、汚染水の流れを抑えて氷の壁を完成させるとする新たな対策を19日開かれた原子力規制委員会の専門家の会合で示しました。
しかし、充填材が固まる際に熱を出して氷を溶かすおそれがあることなどから、専門家からは「本当に氷の壁を作れるのか」とか、「ほかの止水方法も検討するべき」といった効果を疑問視する声が相次ぎました。
これに対して東京電力は、「汚染水を凍らせないまま充填材で固める方法もあるが、充填材自体が放射性物質で汚染され取り除けなくなってしまうため、凍結による止水を続けたい」と説明しました。この結果、原子力規制委員会は今後、充填材の効果などを確かめる試験の結果を見たうえで、充填材の投入を認めるか判断することになりました。
福島第一原発では、建屋の周囲の地盤を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土壁」の建設も進められていますが、トレンチの汚染水を抜き取ることが前提となっているため、トレンチの対策の遅れが凍土壁の建設に影響することも懸念されています。

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