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6月8日のニュース

富岡町の最終処分場巡り説明会

福島県内で出た放射性物質を含むがれきなどの最終処分を、富岡町にある民間の施設で行うとする国の計画について、8日から地元住民への説明会が、避難先のいわき市などで始まり、出席者からは懸念の声が相次ぎました。
国は、福島県内の除染で出た1キログラム当たり10万ベクレル以下の放射性物質を含むがれきや汚泥などの廃棄物を、避難区域内の富岡町にある産業廃棄物の民間処分場で埋め立てる計画を示しています。
この計画について環境省は8日から住民が避難している地域で説明会を始め、このうちいわき市の会場には住民などおよそ70人が集まりました。
この中で環境省の担当者は、放射性物質が溶け出しやすい焼却灰などは楢葉町の施設でセメントで固めたうえ、富岡町の処分場に持ち込むことや、処分場から発生する水に国の基準を超える放射性物質が確認された場合は、取り除いて基準を下回ることを確かめたうえ放出することなどを説明しました。
これに対して、出席者からは「これから帰還を目指しているところに、なぜ施設を持ってくるのか」といった懸念の声や、「住民も施設を監視できる仕組みを作ってほしい」といった意見が相次ぎ、担当者は、地元の了解を得ながら計画を進めたいと答えていました。
環境省は、今月15日まで県内外の避難先で住民説明会を開くことにしています。

【出席した住民は】
住民説明会に出席した富岡町の住民からは、さまざまな声が聞かれました。
52歳の男性は「双葉郡内の町村を考えれば、どこかが犠牲にならなければいけないが、処分場近くの住民の声をしっかり聞く必要があるのではないか」と話していました。
また、41歳の男性は「自分はいつか町に戻るつもりなので、放射性物質を含む廃棄物を持っていく場所がない状況では、生活や健康に問題がないという国の説明を信じるしかない」と話していました。
一方、63歳の男性は「計画そのものについて事前の相談がなく、到底納得できない。健康への影響に関する具体的な説明もなく、国の説明は信用できないので、断固として計画の白紙撤回を求める」と話していました。

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