40年後の未来へ 福島第一原発の今

東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース

5月23日のニュース

非公表求める元所長の上申書公開

政府は東京電力福島第一原子力発電所の事故で、現場で指揮に当たった吉田昌郎元所長が政府の事故調査・検証委員会に対して応じた聴取結果を公表しないよう求めた上申書を公開しました。
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、政府の事故調査・検証委員会は平成23年5月以降、現場で指揮に当たり、去年7月に亡くなった吉田昌郎元所長を含む772人に対して事故当時の状況などを聴取しましたが、政府は非公開を前提に協力を得たものだとして、聴取結果を公表していません。
しかし、吉田氏の聴取結果とされる内容が一部で報じられたことから、公表を求める声が出ていました。
こうしたなか、政府は吉田氏がおととし5月に、国会の原発事故調査委員会から聴取結果の開示を求められたのを受けて提出した上申書を内閣官房のホームページで公開しました。
吉田氏の上申書は政府の事故調査・検証委員会に宛てたもので、聴取結果を国会の事故調査委員会に開示することは認めるものの、「国会事故調が内部で調査のために用いるかぎりにおいて開示を承諾するものであり、第三者に向けて公表されることは望みません」として、厳格な管理を求めています。
その理由について、吉田氏は「他人に対する私の評価、感情、感想を率直に述べた部分があり、聴取時の私の心理状態や聴取の雰囲気、担当官との関係、前後の文脈などをきちんと踏まえていただかないと誤解を生んでしまうと危惧しています」としています。
そのうえで、吉田氏は「自分の記憶に基づいて率直に事実関係を申し上げたが、時間の経過に伴う記憶の薄れ、記憶の混同などによって、事実を誤認してお話している部分もあるのではないかと思う。そのため、申し上げた内容のすべてがあたかも事実であったかのようにして一人歩きしないだろうか、ほかの資料やお話ときちんと照らし合わせたうえで取り扱っていただいたのだろうかといった危惧も抱いている。これらの私の危惧を払拭(ふっしょく)していただけるよう、格別の配慮をしていただきたいと思っております」としています。
吉田氏の上申書を公開した理由について、菅官房長官は午後の記者会見で「会見で何回か申し上げたが、なかなか吉田氏の意図が伝わっていなかったので、上申書を全体として公開してもご迷惑をかけないだろうという判断をさせていただいた」と述べました。
一方、菅官房長官は、記者団が聴取に応じたほかの関係者が希望すれば、聴取結果は公表するのかただしたのに対し、「本人から申し出があれば、そこは問題なくなるのではないか」と述べ、公表を検討する考えを示しました。

5月23日のニュース一覧