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5月1日のニュース

外部委「東電の安全重視文化は不十分」

  • 汚染水貯蔵タンク

東京電力福島第一原子力発電所で汚染水を巡るトラブルなどが相次いでいることについて、東京電力が外部の意見を取り入れるために設けた委員会の専門家は「安全を重視する文化がまだ必要なレベルに達していない」と指摘し、早急な改善を求めました。
福島第一原発の事故をきっかけに、東京電力は去年3月、原子力部門の安全意識やトラブル対応を見直す改革プランを作り、取り組みの状況を原子力に詳しい外部の専門家などで作る委員会に定期的に報告しています。
1日、開かれた委員会で東京電力は福島第一原発の汚染水の処理設備で性能が低下したり、タンクから汚染水が漏れたりするトラブルが相次いでいることについて、「事故後の余裕のない状況のまま、応急的な設備の運用から抜け出せないという悪循環を断ち切れず、技術力の不足を認識しながら計画的な準備が十分できなかった」と報告しました。
これに対し、専門家の1人でアメリカ原子力規制委員会の元委員長、デイル・クライン氏は「不測の事態にも備えるという安全を重視する文化がまだ必要なレベルに達していない」と指摘したうえで、事故を起こした特殊な原発で作業しているという意識を徹底し、海外の核施設でとられた汚染水対策など、外部の力を最大限に活用して早急に改善するよう求めました。
指摘を受けた東京電力の姉川尚史常務は「今回の指摘や提言を受け止め、通常の原発とは異なる現場での力不足を補うために、海外の知見をさらに求めて早急に改善していきたい」と話しています。

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