40年後の未来へ 福島第一原発の今

東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース

8月27日のニュース

再除染と森林除染 環境省が新方針

原発事故で広がった放射性物質を取り除く除染を巡り、環境省は除染をしたあとに雨水などで放射性物質が集まって放射線量が上がった地点があった場合、同じ場所を再び除染する「再除染」を行う方針を明らかにしました。
「再除染」について環境省が具体的な方針を示すのは初めてです。
この方針は、27日東京都内で開かれた専門家の検討会で環境省が明らかにしました。
「再除染」について、環境省は、これまで個別の事例に応じて判断するとして具体的な方針を示していませんでしたが、今回初めて、雨水や落ち葉などで放射性物質が移動して除染直後の測定値よりも相当程度、放射線量が上がった地点や、1回目の除染で放射性物質を取り残した地点があった場合は「再除染」を行うという方針を示しました。
しかし、どれくらいの放射線量で「再除染」をするかなどは示されず、環境省は今後、1回目の除染が終わった市町村で放射線量を継続的に監視したうえで、どのような基準で「再除染」を行うか考え方を明らかにするとしています。
また、環境省は「森林の除染」についても新たな方針を示し、住宅などの近くの森林では、これまで生活圏から20メートル程度の範囲で積もった落ち葉などを取り除く作業が進められてきましたが、放射線量が十分に下がっていない場所では、今後、生活圏から5メートルを目安に追加的な除染を認めるとしています。
その一方で、これまで除染するかどうか決まっていなかった広い範囲の森林については、引き続き必要なデータを収集するとして除染するかどうかの判断を先送りしました。

【再除染の経緯と詳細】
福島県内では、1度除染をしても放射線量が、国が長期的な目標としている1時間当たり0.23マイクロシーベルトを下回らない場所が少なくありません。
このため、地元の自治体や住民からは、こうした場所の再除染を求める声が相次いでいました。
これに対して、環境省はこれまで「効果などを評価したうえで検討するので、個別に相談してほしい」などとして、再除染をするかどうかはそれぞれの実情に応じて判断するにとどまり、どのような場合に再除染を認めるのか具体的な方針を示していませんでした。
27日、環境省が示した方針で「再除染」の対象とされたのは、まず「除染直後よりも放射線量が相当程度上昇した場所」です。
風の吹きだまりや水の流れ道といった場所では落ち葉や土などが移動して集まることで放射性物質が蓄積し、除染直後より放射線量が高くなることがあるためです。
また、「1回目の除染で放射性物質を取り残した場所」についても対象とされました。
いずれも除染後の放射線量を継続的に監視し、その結果などに基づいて再除染を行うかどうか判断するとしています。
一方で、除染後の放射線量がどの程度であれば再除染の対象とするのかなど基準となる具体的な値については示されませんでした。

【森林除染の経緯と詳細】
「森林の除染」について、環境省は「住居などの近隣の森林」「利用者や作業者が日常的に立ち入る森林」「それ以外の森林」の3つのエリアに分けて、それぞれの除染の方針を示してきました。
このうち「住居などの近隣の森林」は、生活圏から20メートル程度の範囲について除染することにしていて、これまで積もった落ち葉や枝などを取り除く作業を進めてきました。
しかし、これだけでは放射線量が十分に下がらないケースが確認されていることから、今回、生活圏から5メートルの範囲について追加的な除染を認めることを決めました。
また、「利用者や作業者が日常的に立ち入る森林」については、これまでキャンプ場など日常的に人が立ち入る場所では個別の状況に応じて除染を進めてきました。
今回は、さらに、しいたけの栽培場について、栽培の継続や再開が見込まれる場合、「住居などの近隣の森林」と同じように周辺20メートル程度を除染することにしました。
一方、「それ以外の森林」については、データが十分ではないため調査や研究を行ったうえで判断することが適当だとして、これまで除染するかどうかの判断を見送っていました。
これについては、今回、森林から下流域への放射性物質の流出はほとんどみられていないという調査結果を示したうえで、引き続きデータを収集するとして、除染をするかどうかの判断を先送りしました。

【「再除染の基準は個別対応で」】
検討会のあと井上環境副大臣は、「再除染」を行う放射線量の基準を示していないことについて、「一律に基準を示すということではなく、地域の状況や要望を踏まえて個別に対応していくことにならざるをえない。ただ、何も決められないということでは困るので、一定の方針を示したい」と述べました。
また、広い範囲の森林を除染するかどうか、判断を示していないことについては、「引き続きいろいろな実証事業や検証をしていかなければならない」と述べるにとどまりました。

8月27日のニュース一覧