原発事故を受けて福島県が行っている子どもの甲状腺検査で、一定の大きさのしこりが見つかった場合などに行う再検査を受診できたのは対象の3分の1ほどにとどまっていることから、福島県は24日から再検査を行う医療機関を増やし、郡山市の病院でも検査が始まりました。
原発事故で放出された放射性物質は、子どもの甲状腺に蓄積してがんを引き起こすおそれがあるとされ、福島県は事故当時、18歳以下だったおよそ36万人を対象に検査を実施しています。
超音波を使った検査で5.1ミリ以上のしこりが見つかった場合などには、より精密な超音波検査や血液や尿を調べる再検査を行っています。
しかし、検査と分析に時間がかかることなどから、ことし3月末までに再検査の対象となった1100人余りのうち、再検査を受診できたのは3分の1ほどにとどまっています。
このため、県は、これまで福島市の県立医科大学だけで行ってきた再検査を、郡山市の星総合病院といわき市の福島労災病院の3か所に増やして実施することになりました。
24日から再検査が始まった郡山市の病院では、午後に5人が受診しました。
再検査は、指定された場所と日程で行われ、いわき市では26日から始まる予定です。
検査を担当する野水整医師は「より近くで検査が受けられ、スピードアップできることで県民の安心につなげていきたい」と話していました。
甲状腺の再検査機関を拡充
7月24日18時23分更新