政府は、原発事故の影響で全域が警戒区域に指定されている福島県大熊町について、来月10日に、町内の9割以上の住民の自宅がある地域を、長期にわたって居住を制限する「帰還困難区域」に指定するなど、3つの区域に見直すことを決めました。
政府は、原発事故の影響で警戒区域や計画的避難区域に指定されている自治体について、放射線量に応じて3つの区域への再編を進めています。
このうち、全域が警戒区域に指定されている大熊町について、30日に開いた原子力災害対策本部の会議で、来月10日に区域を見直すことを決めました。
具体的には、町内の96%の住民の自宅がある地域を、原則、長期にわたって居住を制限する「帰還困難区域」に、それ以外の地域を、引き続き避難を求める「居住制限区域」や、住民の早期帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」に指定することにしています。
会議で、野田総理大臣は「帰還に向けた取り組みを進めている地域について、その取り組みを強力に支援をしていきたい」と述べました。
「居住制限区域」や「避難指示解除準備区域」では、今後、住民の立ち入りが自由になりますが、町全体のインフラの復旧が必要なことから、実際の避難指示の解除までにはさらに時間がかかる見通しです。
このため政府は、避難指示の解除時期に応じて全額になるかどうかが決まる、住宅や土地の損害賠償について、町の全域を全額賠償とする方針で最終調整を進めています。
政府 大熊町の警戒区域見直しを決定
11月30日12時30分更新