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8月21日のニュース

アイナメの基準超 1匹は380倍

福島県の沿岸で東京電力が行った魚介類の調査で、アイナメから食品の基準の380倍と、これまでの調査で最大となる放射性セシウムが検出されました。
東京電力は、ことし3月から福島第一原子力発電所から20キロ圏内の海域で魚介類への放射性物質の影響を調べています。
先月18日と23日、それに今月1日に行った調査では、合わせて5つのポイントで20種類の魚介類を採取し、放射性セシウムの濃度を測定しました。
その結果、今月1日に南相馬市原町区の太田川の沖合1キロで採取したアイナメ2匹分の検体から食品の基準の258倍の1キログラム当たり2万5800ベクレルが検出されました。
高い値が出たことから、1匹ずつ詳しく調べたところ、1匹からは基準の380倍の3万8000ベクレル、もう一方から基準の93倍の9300ベクレルが検出されました。
東京電力が同じ海域で行った調査で検出された放射性セシウムの値は、これまで国の基準の18.8倍が最大でした。
今回の調査では、これ以外にもクロソイやコモンカスベなど9種類の魚介類で1キログラム当たり最大で490ベクレルなど、国の基準を上回る放射性セシウムが検出されました。
福島県沖では、原発事故のあと漁が自粛されていましたが、ことし6月から原発から北東へ50キロ以上離れた相馬市の沖で、放射性物質がほとんど検出されていない「ミズダコ」と「ヤナギダコ」、それにツブ貝の一種の「シライトマキバイ」に限り、試験的な漁が行われていて、アイナメなど今回、放射性物質が検出された魚介類は漁が行われていません。
東京電力は、「これまで海底の土から検出された1キログラム当たり25ベクレル前後と比較すると高いので、いわゆるホットスポットにいた餌を食べたと考えられる。来週から9月末まで、毎週、今回と同じ沖合1キロを中心に2キロ四方でアイナメと、餌になるエビやゴカイ、それに海底土を採取して原因を調べたい」と話しています。

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