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5月24日のニュース

原発事故 90京ベクレル放出

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、外部に放出された放射性物質の量は、これまで国などが試算した値よりも多い90京ベクレルで、大半は、水素爆発やベントによる放出ではなく、メルトダウンによって格納容器が閉じ込め機能を失い放出されたなどとする評価結果を東京電力が公表しました。
東京電力は、事故の翌日から3月末までに外部に放出された放射性物質の量について、メルトダウンした燃料の解析や原発周辺で計測された放射線量、それに土壌の放射性物質の量などから試算しました。
その結果、ヨウ素131とセシウム137の放出は合わせて90京ベクレルで、原子力安全委員会や保安院が公表した値よりも多く、チェルノブイリ原発事故の放出量の17%余りとなっています。
これを水素爆発などの実際に起きた事象との関係で詳しく分析すると、▽建屋の水素爆発に伴う放出は合わせて0.5京ベクレル、▽ベントに伴う放出は0.1京ベクレルと少なく、放出量の大半は、メルトダウンによって格納容器の配管の貫通部などが壊れて閉じ込め機能を失い放出されたと評価しています。
また、時系列で放出をみると、最も多くの放射性物質が放出されたのは、3月16日午前10時からの3時間で、3号機から18京ベクレル放出したとしています。
この時、3号機の格納容器の圧力が下がっていますが、東京電力は、どのような経路で放出したかは分かっていないとしています。
一方、海に放出された放射性物質の量については、海水の放射性物質の濃度などから推定し、海水のデータのある去年3月下旬から半年間の放出量を15京ベクレルとしています。
東京電力が詳細な放出量の試算を公表したのは初めてで、試算に1年以上かかったことについて、東京電力は「水素爆発などの事象との突き合わせや、数値に誤りがないかの確認に時間がかかった。今回の評価が適切か、国やほかの研究機関とも相談しながら検証を進めたい」と話しています。

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