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2月22日のニュース

米原子力規制委 事故直後の議事録

アメリカ原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の事故発生直後の委員会内部のやり取りを記録した議事録を公表しました。
この中では、アメリカ当局が、事故発生から5日後には、最悪の事態を想定すると1号機から3号機までの3つの原子炉がすべてメルトダウンする可能性もあるとして、日本政府が付近の住民に出した避難・屋内退避指示よりも広い範囲の勧告を行うよう提起していたことが分かりました。

アメリカ原子力規制委員会は、21日、東日本大震災が発生した去年3月11日から10日間にわたる、委員会内部の電話などによる緊急会議のやり取りを記した3000ページ以上にわたる議事録を公表しました。
それによりますと、事故発生から2日後のアメリカ東部時間12日には、福島第一原発の敷地内の周辺でセシウムなどが検出されたことが分かったことから、少なくとも原子炉内部で部分的な炉心損傷が起きている可能性があるなどとして、発電所から半径50マイル=およそ80キロ圏内に避難勧告を出すべきはないかと、幹部が原子力委員会に対して進言していたことが分かりました。
さらに、16日には、原子力規制委員会のヤツコ委員長が、最悪の事態を想定すると、1号機から3号機までの3つの原子炉がすべてメルトダウンする可能性もあると指摘し、また、ボーチャード事務局長が、「同じ事態がアメリカ国内で発生すれば、原発から50マイル以内には避難勧告を出すのが妥当だと思われる」と述べて、日本政府が福島第一原発の付近の住民に出した半径20キロ圏内の避難指示、20キロから30キロ圏の屋内退避指示よりも広い範囲の勧告を行うよう、委員会に提起していたことが分かりました。
今回公表された議事録は、アメリカの規制当局が福島第一原発の事故を受けてどのような初動対応を行ったかを示す資料だけに、関心を集めるものとみられます。
【議事録とは】
公開された議事録は、東日本大震災が発生した3月11日から20日までの10日間に、アメリカの原子力規制委員会の内部で行われた緊急会議での会話や、やり取りを記録したもので、アメリカの情報公開法に基づいて公表されました。
緊急会議は、アメリカ本国のヤツコ委員長ら原子力規制委員会の幹部と、日本に派遣されていた担当者らの間を電話で結んで行われ、日本側から得られた情報などを基に、独自に分析を行って対応を検討していった様子が記されています。
議事録の一部は黒塗りで覆われて公開されておらず、非公開の理由について、原子力規制委員会は、「外国からもたらされた情報で機密に当たる」などと説明しています。

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