日本を訪れているアメリカ原子力規制委員会のヤツコ委員長は、福島第一原子力発電所を事故後初めて視察したあと、都内で記者会見し、日本政府が「冷温停止状態」になったと発表したことについて、適切な判断だと評価したうえで、再発防止に向けて今回の事故を巡る国際的な情報の共有が重要だとの考えを示しました。
アメリカの原子力発電所の規制・監督を担う原子力規制委員会のトップを務めるヤツコ委員長は、19日、事故後初めて福島第一原発を視察し、20日午後、都内のアメリカ大使館で記者会見しました。
この中でヤツコ委員長は、福島第一原発では、事故後、不測の事態に備えた様々な対策が取られたと指摘したうえで、「原子炉内の温度は十分に下がった」と述べ、日本政府が「冷温停止状態」になり、事故の収束に向けた工程表の「ステップ2」の完了を宣言したことを適切な判断だと評価しました。
また、ヤツコ委員長は、原発の安全対策を巡る日米の協力関係について、「今回の事故によって、両国の協力関係はさらに強固なものになった」と指摘したうえで、「事故の情報共有をどのように進めていくか、国際社会が大きな関心を寄せている」と述べ、今回の事故を巡る国際的な情報の共有が重要だとの考えを示しました。
米原子力委 日本の発表は適切
12月20日23時30分更新