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12月7日のニュース

汚染水流出 教訓生かされず

東京電力は、福島第一原子力発電所の汚染水の処理施設で水漏れが見つかった問題で、放射性ストロンチウムを含む汚染水およそ150リットルが海に流出したとみられると発表しました。
福島第一原発では、4月や5月にも汚染水の海への漏えいがあり、東京電力が対策に取り組んできましたが、教訓が生かされない結果となりました。

福島第一原発では、汚染水から放射性物質を取り除いたあとに塩分を除去する装置から、今月4日、大量の汚染水が漏れ出し、建物の土台のひび割れから一部が外に流れ出たのが見つかりました。
東京電力が、施設の近くにある海につながる排水路の水や排水路の出口近くの海水を調べた結果、放射性ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を含む汚染水150リットルが海に流出したとみられることが分かりました。
この水に含まれる放射性物質は、セシウムは処理施設によって減っていますが、カルシウムと性質が似ていて骨に蓄積しやすいストロンチウムは高濃度で含まれ、海に流出した放射能の量は260億ベクレルと推定されています。
東京電力は、「放射性物質は海で薄まるため、排水路近くの海にいる魚を毎日食べても、1年間の被ばく量は3.7マイクロシーベルトで、人の健康や環境への影響はほとんどないと考えている。しかし、地元をはじめ社会の皆さんに迷惑をかけたことについては改めてお詫びしたい」と話しています。
福島第一原発では、4月や5月にも、汚染水の海への漏えいが発生し、東京電力は、海の近くにある地下のトンネルのたて穴を塞いだり、高濃度の汚染水を処理する装置に水漏れを見つける機器を設置したりする対策に取り組んできました。
しかし、今回水漏れが起きた施設ではこうした対策が取られておらず、教訓が生かされない結果となりました。
東京電力は、国の原子力安全・保安院の指示を受けて、原因の究明や再発防止策を急ぐことにしています。

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