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11月12日のニュース

東電 原発事故の現場を初公開

  • 汚染水貯蔵タンク
  • 1号機
  • 2号機
  • 3号機

東京電力福島第一原子力発電所の事故現場が、事故から8か月たって、12日、初めて報道関係者に公開されました。
福島第一原発の事故現場の公開は細野原発事故担当大臣の視察への同行取材の形で、事故から8か月たって初めて実現しました。
同行取材には東京と地元福島のほか、海外メディアの記者やカメラマン合わせて36人が参加し、防護服に着替え、顔を覆う全面マスクを装着して、午前11時前からおよそ1時間にわたって事故現場を見て回りました。
今回の撮影では、被ばく量を抑えるためバスから降りることは認められませんでしたが、事故から8か月たった現場は、今も水素爆発で大きく壊れた原子炉建屋が無残な姿をさらし、津波で流された車が放置されるなど津波の爪痕が至る所に残っていました。
敷地内は汚染水の処理施設や、処理後の水をためるタンクも数多く設置され、道路のがれきが取り除かれるなど復旧作業が進みつつありますが、バスの窓越しに見る光景は、水素爆発のすさまじさや、地上のものを根こそぎ破壊する津波の威力を見せつけていました。
12日は、現地の対策本部がある免震重要棟も公開され、細野原発事故担当大臣が、復旧作業に当たっている東京電力などの関係者に「皆さんの努力でここまできました。年内には、『ステップ2』を実現させましょう」と激励しました。
このあと事故発生以来、陣頭指揮を執っている福島第一原発の吉田昌郎所長がインタビューに応じ、「事故直後の1週間は死ぬだろうと思ったことが数度あった。1号機や3号機が水素爆発したときや、2号機に注水ができないときは、終わりかなと思った」と当時の思いを語りました。
そのうえで、今の収束作業について「作業現場は放射線量が高くまだ危険な場所もあるが、現場の実感としては原子炉は安定しているので住民の方は安心してもらいたい。年内には冷温停止を達成したい」と述べました。
現場の公開は報道機関が事故発生後から政府や東京電力に求めていましたが、復旧作業への影響や、放射線量が高いことなどを理由に認められず、事故から8か月がたち、原子炉の冷却が安定してきたなどとして、今回、初めて公開されました。
事故から8か月がたった東京電力福島第一原子力発電所では、原子炉への注水を維持して原子炉の温度が安定して100度を下回る「冷温停止」を年内に実現させるとともに、注水で発生する汚染水をいかに減らすかが大きな課題になっています。
福島第一原発では、3月の事故直後、1号機から3号機の原子炉で燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が起き、1号機では一時原子炉の温度が400度まで上がりました。
その後、原子炉への注水が続けられ、9月下旬からは、原子炉の温度はいずれも100度を下回っています。
原子炉の冷却は事故直後に比べ安定してきていますが、溶け落ちた燃料の状態が分からないことが大きな問題になっています。
今月初めには、溶け落ちた燃料の量や形、それに散らばり方が把握できないことから、2号機の格納容器から放射性物質のキセノンが検出された際、核分裂が連続する「臨界」か、別の放射性物質が自然に核分裂する「自発核分裂」か、当初、判断がつきませんでした。
最終的に臨界は起きていなかったと判断しましたが、東京電力は今後も一時的に局所的な臨界が起きる可能性は否定できないとしています。
このため、キセノンなどを常に測定するなどの対策を強化することにしていますが、温度などのデータを充実させて原子炉の状態を正確に把握し、原子炉の温度が安定的に100度を下回る冷温停止を年内に実現できるかが課題になっています。
もう1つの課題は汚染水の処理です。
福島第一原発では原子炉に注水した水が高濃度の放射性物質を含む汚染水になって施設にたまり、6月中旬には12万トンに上りました。
その後、汚染水の浄化処理を続けて、今月上旬には汚染水はおよそ9万トンに減り、外部に漏れ出すおそれは低くなったとしています。
ただ、この間、浄化処理した汚染水は15万8千トンに上るため、当初の想定より汚染水は減っておらず、東京電力は地下水が流入して汚染水が増えているとみています。
このため、今後、地下水をくみ上げるとともに浄化処理の量を増やしていかに汚染水を減らすかが大きな課題です。
また、浄化処理したあとの低濃度の汚染水や、処理の過程で発生する放射性廃棄物をどのように処分するかも課題になってきます。

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