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10月30日のニュース

除染の工程表 貯蔵場所が課題

放射性物質を取り除く除染で出る土などについて、環境省は、福島県内で地域ごとに設けられる仮置き場に3年ほど保管したうえで、平成27年以降に中間貯蔵施設への搬入を始めるなどとする工程表をまとめました。
細野環境大臣は、29日、福島県内の市町村長などに説明し理解を求めましたが、中間貯蔵施設をどこに設置するかなど多くの課題があります。
環境省がまとめた除染で出る大量の土などの処分方法の工程表について、細野環境大臣は、29日、福島を訪れ、佐藤知事や県内の各市町村長に説明しました。
工程表では、除染で出る土などを保管する中間貯蔵施設について、来年度末までに福島県内で設置場所を選定したうえで、平成27年の1月以降に汚染された土などの搬入を始めるとし、それまでの3年間ほどは地域ごとに設ける仮置き場に土などを留め置くとしています。
さらに、中間貯蔵施設で保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了するとしています。
しかし、この工程表を実行していくうえでは多くの課題があります。
1つは中間貯蔵施設をどこに設置するかです。
工程表では、来年度末までに選定を終えるとしていますが、放射性物質に対する住民の不安から県内では仮置き場もなかなか確保できない状態が続いています。
中間貯蔵施設に汚染された土などを最大30年という長期間保管し続けるには、住民や自治体の協力が不可欠で、国は施設の安全性を確保したうえで地元に分かりやすく説明して理解を求める努力が求められます。
また、中間貯蔵施設に保管したあとの最終処分については、処理施設の在り方や場所などが工程表に示されていません。
国は放射性物質の効果的な分離方法など必要な技術の開発を急ぎ、具体的な最終処分の在り方を示す必要があります。

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