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10月28日のニュース

燃料の回収 10年以内に開始

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東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた工程を検討している国の原子力委員会は、壊れた格納容器を修理して水で満たしたうえで、今後10年以内を目標に、溶け落ちた燃料の取り出しを始めるとする報告書の案を示しました。
原子力委員会の専門部会は、福島第一原発の廃炉に向けた工程について、ことし8月から議論を重ね、28日の会合で報告書の案が示されました。
それによりますと、1号機から4号機の燃料プールに保管している使用済み燃料は、事故の収束に向けた工程表のステップ2が終了してから3年以内を目標に取り出しを始め、敷地にある共用のプールに移す方針です。
また1号機から3号機のメルトダウンで溶け落ちた燃料は、壊れた格納容器を修理したうえで、放射線を遮るために水で満たし、10年以内を目標に取り出す作業を始めることにしています。
そのうえで廃炉の作業が終わるまでに30年以上かかると推定しています。
原子力委員会は、今回の案について、来月までに専門家による検討を行い、年内に報告書をまとめることにしています。
専門部会の部会長を務める京都大学の山名元教授は「実際に原子炉の中を調査しないと正確な見通しは立たないが、現時点で10年あれば可能と目標を立てた。態勢を早期に整えて作業を始めたい」と話しています。
28日に示された福島第一原発の廃炉に向けた工程の案は、アメリカのスリーマイル島原発事故の廃炉作業よりも長期にわたっています。
32年前の1979年に起きたスリーマイル島原発事故では、福島第一原発と同じように、核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起き、燃料のおよそ70%が溶けて、一部が原子炉の底に落下しました。
溶けた燃料の取り出し作業が始まったのは、事故発生から6年後、作業を終えたのは11年後でした。
これに対して、福島第一原発の廃炉に向けた工程の案では、溶けた燃料の取り出しを始めるのは10年以内を目標とし、作業を終えるのは30年以上としています。
スリーマイル島原発よりも時間がかかる理由は、福島第一原発では原子炉だけでなく格納容器も壊れていて作業が難しいためです。
工程の案ではスリーマイル島原発の廃炉作業を参考に、格納容器を水で満たして高い放射線を遮ったうえで、原子炉の状況を確認して遠隔操作のロボットで燃料の取り出しを行う予定です。
そのためには原子炉から汚染水が漏れ続けているなかで、格納容器の損傷か所を特定して修理しなければなりません。
さらに溶け落ちた燃料がどこに、どのような状態で残っているか把握するため、新たな技術開発も必要です。
28日の会合でも政府や東京電力、メーカーが参加する研究本部を立ち上げて、技術開発や作業計画の調整をする方針が確認されました。
スリーマイル島原発事故より厳しい状況に加えて、1号機から4号機まで同時並行で復旧作業を行わなければならず、福島第一原発の廃炉作業は長く難しいものになります。

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