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10月25日のニュース

原発事故追加コスト試算 異論相次ぐ

原子力発電にかかるコストを試算している、国の原子力委員会は、事故が起きた場合の追加的なコストについて、1キロワットアワー当たり最大で1円程度とする、初めての試算をまとめました。
これまでの原発のコストに上乗せしても、ほかの発電方式より依然安くなっていますが、今回の試算には広範囲にわたる除染費用などが含まれず、委員の間から異論が相次ぎました。
原子力委員会の25日の会合では、福島第一原発事故を踏まえて、深刻な原発事故が起きる確率と事故にかかる損失額を基に、事故が起きた場合のコストを算出しました。
このうち、事故の確率は、福島第一原発事故を参考に、500年に1回起きるとする場合から、国際的な安全目標である10万年に1回の場合まで、幅を持たせました。
そのうえで、損失額は、避難の費用や風評被害などの損害賠償に加えて、廃炉の費用を合わせて、1基当たり3兆8800億円余りと算出しました。
ただ、森林を含めた広範囲に及ぶ除染費用や廃棄物の保管費用などは、正確な金額がまだ分からないとして含まれませんでした。
この結果、事故が起きた場合のコストは、1キロワットアワー当たり1.2円から0.0046円になると試算されました。
これに対して委員の1人は、除染や廃棄物の費用などを含めると損失額は48兆円に上るとする独自の試算を提示し、コストは1キロワットアワー当たり最大で16円になると主張しました。
議論の結果、独自の試算も参考として併記したうえで、事故が起きた場合のコストは0.1円から1円として、政府の委員会に報告することで合意しました。
原発のコストは、過去の試算では1キロワットアワー当たり5円から6円とされ、25日に合意した事故のコストを上乗せしても6円から7円程度で、依然、ほかの発電方式より安くなっています。
座長を務める、鈴木達治郎原子力委員長代理は、「試算の参考にした数字には不確定なものが含まれるので、参考にする場合は、議論の前提や内容をよく理解していただきたい。特に損失額はまだ分からないので、あくまで現時点での報告だ」と話しています。

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