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10月18日のニュース

福島市 大規模除染作業始まる

東京電力福島第一原子力発電所から拡散した放射性物質を取り除くため、福島市で、18日から大規模な除染作業が始まりました。
福島市は市内全域を除染する計画を掲げていて、18日から、市内でも比較的放射線量が高い大波地区で作業を始めました。
18日は午前中から1棟の住宅を除染する作業が行われ、市が委託した業者が高圧洗浄機を使って屋根や雨どいを洗浄したり、庭に植えられた樹木や表面の土を取り除いたりする作業に当たりました。
18日の作業では、水がしみこみやすい砂地は、放射線量を十分下げるために深く地面を削り取らなければならず、土砂が多く発生したほか、塗装が古くなったトタン屋根では洗浄しても線量が下がりにくい傾向が見られたということです。
福島市は、5年間かけて、市内全域の11万世帯のほか、公共施設や通学路などを中心に除染することを目指していて、この地区をモデルケースとして、ことし中を目標に住宅と道路の除染を終え、作業が終わりしだい、放射線量を詳しく調査して、除染のノウハウなどを蓄積していきたいとしています。
市の計画では、放射線量が比較的高い地域については除染を業者に委託し、それ以外は住民やボランティアに協力を求める予定ですが、作業に当たる人を確保できるかや、除染で出る土などの処分場所がほとんど決まっていないことなど、多くの課題が残されています。
福島市で除染を担当している草野利明防災専門官は、「いよいよ作業が始まりましたが、まだまだ第一歩です。業者の数に限りがあるし、今後計画している山林の除染など、経験していないことも多く、いくつも超えなければならない壁がたくさんあります。これから長い戦いになると思います」と話していました。

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