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9月30日のニュース

飯舘村など プルトニウムが検出

東京電力福島第一原子力発電所からおよそ45キロ離れた福島県飯舘村の土壌から、国の調査で、事故によって放出されたとみられるプルトニウムが検出されました。
事故のあと、プルトニウムが原発の敷地の外で検出されたのは初めてですが、文部科学省は「濃度は低く、このプルトニウムによる被ばく量は非常に小さい」としています。
調査は、ことし6月から7月にかけて文部科学省が、福島第一原発から80キロ圏内の合わせて100か所で土壌を採取し、プルトニウムなどの濃度分布を調べました。
その結果、原発から北西方向の双葉町と浪江町、それに飯舘村の合わせて6か所で原発事故によって放出されたとみられるプルトニウムを検出しました。
このうち最も原発から離れた場所は、飯舘村のおよそ45キロ地点で、プルトニウム238が1平方メートル当たり0.82ベクレル、プルトニウム239と240の合計で、1平方メートル当たり2.5ベクレルが検出されました。
国の調査で原発の敷地の外でプルトニウムが見つかったのは初めてです。
文部科学省によりますと、今回検出されたプルトニウムの濃度はいずれも低く、これらのプルトニウムによる被ばく量は非常に小さいとしています。
核燃料に含まれる放射性物質に詳しい東京大学大学院の長崎晋也教授は「揮発してガス状になりやすいヨウ素やセシウムと違って、プルトニウムは粒子で存在し質量も大きいので、45キロも離れたところまで飛ぶとは思わなかった。
ただ、粒子が非常に小さければ気象条件によって遠くに運ばれることはありえないことではない。
メルトダウンして溶け出した燃料に含まれるプルトニウムの小さな粒子が水蒸気などと一緒に大気中に出て、風で運ばれたのではないか」と話しています。

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