東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース

8月17日のニュース

東電 “水素爆発予測できず”

東京電力福島第一原子力発電所の事故で起きた水素爆発について、東京電力の関係者が政府の事故調査・検証委員会の調査に対し、「事前に予測できた者はいなかった」と証言していることが分かり、深刻な事故が発生した際の想定が甘かったことが改めて浮き彫りになりました
東京電力福島第一原発を巡る政府の事故調査・検証委員会は、東京大学の畑村洋太郎・名誉教授が委員長を務め、事故の原因究明に向けて政府や東京電力の関係者などから幅広く聞き取り調査を行っています。
これまでの調査に対し、東京電力の関係者が東日本大震災発生の翌日の12日、1号機で起きた水素爆発について、「原子炉や格納容器の対応に集中していたため、水素が建屋に充満して爆発することに考えが至らず、爆発前に予測できた者はいなかった」と証言していることが分かりました。
また、1号機の爆発後、2号機と3号機についても爆発を防ぐための対策を検討しましたが、放射線量が高かったことなどから作業を実施できず、結果として14日に3号機でも爆発が起きたということです。
水素爆発は、原子炉への注水が止まり炉心が損傷したことに伴って大量の水素が発生し、格納容器から建屋の中に漏れ出して起きたとみられています。
東京電力は炉心が損傷する事故で水素爆発のおそれがあることは把握していましたが、建屋で起きることまでは想定していなかったということで、深刻な事故の際にどのような事態に至るかという想定の甘さが改めて浮き彫りになりました。

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