東京電力福島第一原子力発電所では、汚染水の浄化設備に国産の新しい装置が据え付けられ、6日から試運転が行われる予定でしたが、東京電力は汚染水の保管場所の水位が上がっているとして試運転を延期し、今の設備で浄化を急ぐことになりました。
福島第一原発では、地下にたまった高濃度の汚染水から放射性物質や塩分を取り除き再び原子炉に注水する「循環注水冷却」が続けられています。
その要となる浄化設備を安定的に運転するため、東京電力は「SARRY(サリー)」と呼ばれる国産の新しい装置を据え付け、6日から2日間、設備全体の運転を止めて試運転を行う予定でした。
しかし、汚染水を保管している「集中廃棄物処理施設」の建屋では、水位が5日の時点で限界まであと30センチ余りに迫っているということです。
東京電力は、汚染水を浄化して水位を下げる必要があるとして、装置の試運転を今月中旬以降に延期し、今の設備で浄化を急ぐことになりました。
浄化設備を巡っては、ポンプの故障などトラブルが相次いでいて、4日から5日にかけてもおよそ700リットルの汚染水が建屋の中でホースから漏れ出していたり、異常を示す警報が鳴って2時間余り、運転が止まったりしています。
東京電力はこうしたトラブルの原因を調べて浄化設備の運転を安定化させたいとしています。
試運転延期し汚染水浄化急ぐ
8月6日6時30分更新