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8月5日のニュース

原発賠償の中間指針まとまる

東京電力福島第一原子力発電所の事故の損害について、賠償を認める対象や範囲を示す中間指針がまとまりました。
これまで一部で賠償金の仮払いが行われてきましたが、中間指針がまとまったことで、事故からおよそ5か月、被害者の救済が本格的に始まることになります。
中間指針は、専門家で作る国の審査会が5日に開いた会合でまとめました。
指針は、原発事故の被害者を迅速に救済するため、明らかに事故の影響と認められる損害について賠償の対象や範囲を示すもので、これまで政府の避難指示などに伴う1次指針と、買い控えや取り引き停止によって損害を受けた風評被害などを対象にした2次指針が示されていました。
5日にまとまった中間指針では、風評被害などの対象となる損害や地域が拡大されています。
それによりますと、風評被害では、新たに、▽放射性物質を含む稲わらが畜産農家に流通していた17の道県の牛が認められたほか、▽国の暫定基準値を超える放射性物質が検出された静岡や神奈川など8つ県のお茶が対象になりました。
また、観光業では▽国内の観光客について、すでに認められていた福島に加えて、茨城、栃木、群馬に拠点を持つ業者も、原発事故のあとのキャンセルなどの損害が認められました。
さらに▽外国人観光客の減少については、全国すべての地域が対象で、ことし5月までの通常の解約率を上回った分の損害が認められます。
また、▽輸出についての風評被害では、原発事故のあと外国政府に輸入を拒否されたり規制されたりした時点で、すでに輸出や製造されていたものが対象となりました。
一方、避難区域以外で自主的に避難した人の損害賠償については、指針には盛り込まれず、改めて議論することになりました。
賠償金の支払いを巡っては、被害者から「金額が少なく、遅い」という指摘が出ていましたが、事故からおよそ5か月、賠償金の支払いを国が支援する支援機構法が成立し、中間指針もまとまったことから、今後、被害者の救済が本格的に始まることになります。

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