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8月3日のニュース

原発廃炉の工程表 検討始まる

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた工程表を検討する国の原子力委員会の専門部会の初会合が、3日、開かれ、“メルトダウン”した核燃料をどのように取り出すのかなど中長期にわたる課題が示されました。
専門部会は、福島第一原発の事故収束の工程表の「ステップ2」が達成されたあとの廃炉に向けた工程を検討するため、国の原子力委員会が新たに設置しました。
初会合には、原子力委員会の委員や東京電力の関係者などおよそ30人が出席し、1979年に起きたアメリカ・スリーマイル島原発事故の日米共同研究で、日本側の代表を務めた早瀬佑一氏が、当時の復旧作業の状況を説明しました。
この中でメルトダウンという世界で初めての経験に作業は難航し、汚染水の処理技術や遠隔操作で動くロボットの開発などに時間がかかるなどして、最終的に燃料の取り出しを終えるまでに11年かかったことなどが報告されました。
3日の会合では、福島第一原発の廃炉に向けた中長期的な課題として、溶けた燃料を取り出すことを当面の目標に、壊れている格納容器の補修や建物内に広がっている高い濃度の汚染を遠隔操作で取り除く方法の検討などが挙げられました。
出席した委員からは「廃炉の作業は長期間にわたるため、専門的な人材の育成が欠かせない」といった意見や、「工程表の作成には、スリーマイルの経験など国際的な英知を集めるべきだ」などの意見が出ていました。
部会長を務める山名元京都大学教授は「スリーマイル島の事故よりも炉心の損傷が激しいため、燃料を取り出すまでの助走期間が長くかかると思う。専門家の知見を集めて可能なかぎり早く工程表を取りまとめたい」と話していました。
原子力委員会は、「ステップ2」が終わるまでに廃炉に向けた工程表を取りまとめるとしています。

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