東京電力福島第一原子力発電所では、たまり続ける汚染水の処理が重要な課題となっていますが、6月から動き始めた浄化設備の稼働率は、この1週間で50%余りにとどまり、目標を3週連続で下回りました。
福島第一原発では、原子炉を冷やすために使った水が汚染水になって建物の地下にたまり続けていて、汚染水を増やさないために処理して再び冷却に用いる「循環注水冷却」のシステムが先月末から稼働しています。
東京電力が、このシステムの19日までの1週間の稼働率を調べた結果、目標の70%を下回る53%にとどまり、目標を3週連続で達成できませんでした。
東京電力は、稼働率が低迷している原因について、放射性物質を取り除く装置の処理能力が設計よりも30%ほど下回っているほか、水漏れなどが続いていたためだとしています。
また、装置の配管を取り替えるなどの対策を取ったあとも処理能力はほとんど改善せず、根本的な原因はいまだに分かっていないということです。
19日に発表された事故の収束に向けた工程表では、最初の節目となる「ステップ1」について、政府と東京電力は、原子炉などの「安定的な冷却」に到達したとする評価をまとめていますが、「循環注水冷却」のシステムは不透明な状態が続いています。
一方、1号機の原子炉建屋では、地下にたまった汚染水の水位が、20日午後4時の時点で19日より15センチほど上昇していて、東京電力は、台風の影響で水位が上がったとみて監視を続けています。
浄化設備の稼働率 低迷続く
7月20日20時50分更新
- 1号機