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7月3日のニュース

汚染水増やさない循環注水実現

  • 汚染水貯蔵タンク

東京電力福島第一原子力発電所で、汚染水を浄化して再び原子炉の冷却に使う「循環注水冷却」は、2日、初めて汚染水だけを使った注水に切り替わり、汚染水を増やさずに原子炉を冷却する状態が実現しました。
今後は、いかに安定的に循環注水を継続できるかが焦点になります。
福島第一原発では、「循環注水冷却」がスタートしてから3日で1週間となりますが、配管の水漏れが3件見つかり、注水を2度停止したほか、汚染水の浄化設備でも作業員のミスやトラブルで運転の停止が相次いでいます。
このため東京電力は、2日、水漏れが起きないよう一部の配管を強度を高めたものに取り替えたほか、配管内の圧力の上昇を抑えるために一時的に浄化した水をためるタンクを新たに設置しました。
その結果、水漏れのリスクなどが減り、安定的な注水が可能になったなどとして、これまで1時間当たり2~3トン真水を混ぜて入れていた原子炉への注水を、すべて浄化した水に切り替えたということです。
これによって、新たな水を注入せずに汚染水だけを使った循環注水が実現したことになり、汚染水を増やさずに原子炉の冷却ができる状態になりました。
東京電力によりますと、2日午後5時までに1万1170トンの汚染水を処理し、このうち3580トンが塩分などを取り除いた浄化した水で、およそ10日分の注水量に当たるということです。
東京電力は、今月17日をめどとする工程表のステップ1の目標の達成には、循環注水冷却の安定化が不可欠だとしていて、今後は、いかに安定的に循環注水を継続できるかが焦点になります。

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