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6月29日のニュース

循環注水冷却でトラブル相次ぐ

  • 汚染水貯蔵タンク

東京電力福島第一原子力発電所では、浄化した汚染水を原子炉の冷却に使う「循環注水冷却」のシステムで水漏れのトラブルが相次いでいます。
東京電力が対策を検討していますが、システムを安定的に運用することが大きな課題となっています。
福島第一原発では、増え続ける汚染水を浄化して原子炉の冷却に使う「循環注水冷却」が27日始まりましたが、29日朝にかけて配管の水漏れが3件見つかりました。
このうち、29日朝の水漏れは、2か所の配管に小さな穴が開いてわずかに水が漏れていたというもので、東京電力は、循環注水を止めて配管の交換を行ったうえで、午後1時半すぎに再開しました。
3件の水漏れはいずれも浄化した水を送るポンプの先で集中して起きたということで、東京電力は、配管の強度を高めたり予備のルートを準備したりといった対策を検討しています。
一方、循環注水冷却のシステムのうち、汚染水の浄化設備では、29日午前9時半ごろ、塩分を取り除く処理のあとに残った塩分濃度の高い水をためておくタンクで、水漏れが見つかりました。
水漏れの量はおよそ50トンとみられ、漏れた水の表面の放射線量は、1時間当たり50マイクロシーベルトだったということです。
浄化設備では、午後3時前にも別のタンクの水漏れを知らせる警報が作動して運転を止めたということで、循環注水冷却のシステムで水漏れのトラブルが相次いでいます。
循環注水冷却は、汚染水を増やさずに原子炉の冷却を進めるための重要なステップと位置づけられているだけに、システムを安定して運用することが大きな課題となっています。

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