東京電力福島第一原子力発電所の事故で、立ち入り禁止となっている警戒区域への一時帰宅の際に住民が熱中症になるのを防ぐための措置として、国の原子力災害現地対策本部は、25日から長袖と長ズボンを着ていれば、防護服を着用しないことを認める方針を明らかにしました。
国の原子力災害現地対策本部によりますと、24日、警戒区域に自宅のある福島県楢葉町の60代の男性が、車を持ち出すために防護服を着て2時間ほど警戒区域内に滞在しましたが、その後、熱中症の症状を訴えて病院に搬送されました。
これまでにも、防護服を着て一時帰宅し、暑さのために体調の不良を訴える人が相次いでいて、国は、今後、本格的な夏を迎えると熱中症の増加が懸念されるとして、25日からは長袖と長ズボンを着ていれば、防護服を着用していなくても一時帰宅を認める方針を明らかにしました。
ただし、専用の帽子とマスク、それに手袋や靴カバーは着用してもらい、希望者には防護服を用意します。
これまでに一時帰宅のあとに行われた放射性物質のスクリーニング検査で、基準値を超える放射性物質が付着していたケースはないということで、国では専門家の意見を聞いて防護服の着用の義務を緩和したということです。
一時帰宅 防護服なしで可能に
6月25日8時30分更新