東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、東京の23区でも住民の間に放射線への懸念が広がっていることから、空気中の放射線量や学校のプールの水などに含まれる放射性物質の濃度を区独自に測定するところが相次いでいます。
原発事故を受けて、東京都は今月15日から都内100か所で空気中の放射線量を測定していて、各地では1時間当たり0.02マイクロシーベルトから0.20マイクロシーベルトと、通常の範囲の数値が観測されています。
しかし、23区の各区役所には、それぞれの区民からよりきめ細かい情報が欲しいという声が寄せられていることから、学校や公園などで区独自に放射線の測定を始めるところが相次いでいます。
合わせて19の区では、空気中の放射線量を独自に測定しているか測定を検討していて、このうち千代田区は、21日から、区役所や公園など6か所で1週間に1度、測定を始めました。
公園では、区の職員ら3人が、多くの子どもが利用する砂場で専用の機器を使って数値を確認していました。
砂場の放射線量は、地上1メートルのところで1時間当たり0.07マイクロシーベルトだったということで、測定結果は22日から区のホームページに掲載されます。
千代田区の桑原和義危機管理担当部長は「子どもを持つ方から、自分が暮らしている場所は大丈夫なのかといった問い合わせも多かったので、きめ細かく調査することで、少しでも安心していただければと思います。ホームページへのほか、今後は区の施設での掲示やチラシを配布するなどして、周知を図っていきたい」と話しています。
一方、学校のプールやグラウンドで放射性物質の濃度をすでに測定しているか測定を検討している区も、15に上っています。
渋谷区では、屋外プールがある25の小中学校で水の測定を行うとともに、すべての小中学校と保育園など合わせて59か所で校庭や花壇などの土の測定を行うことを決めました。
21日は、区立神南小学校で、専門の業者が花壇の土とプールの水を採取しました。
渋谷区は来月上旬に検査結果を公表することにしています。
渋谷区保健所の松本賢司生活衛生課長は「検査をして安全だという結果を公表することで、区民や保護者の不安解消につなげたい」と話しています。
23区 放射線量など独自測定
6月21日19時50分更新