東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース

6月20日のニュース

汚染水 移送先の確保も綱渡り

  • 汚染水貯蔵タンク
  • 1号機

東京電力福島第一原子力発電所で、高濃度の汚染水の移送先の容量が限界に近づいているなか、東京電力では、本来は低濃度の汚染水を入れる仮設のタンクに高濃度の汚染水を入れる検討を始めるなど、綱渡りの状態が続いています。
福島第一原発では、原子炉建屋やタービン建屋の地下などに11万トン以上の高濃度の汚染水がたまっているとみられ、原子炉への注水によって1日500トンほどのペースで増え続けています。
さらに、汚染水から放射性物質を取り除く浄化設備が運転を再開しても、安定するまでの間に再び中断するおそれがあるうえ、汚染水の移送先のうち、「集中廃棄物処理施設」の2つの建屋はすでにほぼ満水の状態で、もう一つの移送先の1号機のタービン建屋にある「復水器」という設備も、あと2日程度で満水になってしまう見通しです。
このため、このままでは、あと1週間程度でトレンチと呼ばれるトンネルの縦穴から汚染水があふれ出すおそれがあることから、東京電力では、新たな移送先の検討を始めました。
検討されているのは、「集中廃棄物処理施設」のこれまでと別の2つの建屋と、本来は浄化したあとの低い濃度の汚染水を入れる予定だった仮設のタンクですが、いずれも安全性の評価が済んでいないなど、汚染水への対応は綱渡りの状態が続いています。
国の原子力安全委員会の班目春樹委員長は「高濃度の汚染水が海に流れ出すのを防ぐ緊急避難的な措置として、やらざるをえない選択肢の一つと考えておくべきだ。事前にどの程度の影響があるか、リスク評価や対応策の検討を要望したい」と話しています。

6月20日のニュース一覧