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6月20日のニュース

浄化設備 実験分析し運転急ぐ

東京電力福島第一原子力発電所で、汚染水対策の鍵を握る浄化設備が、本格運転の開始後に停止した問題で、東京電力は、原因を調べる実験を19日夜に行いました。
東京電力は、実験結果を分析したうえで運転の再開を急いでいますが、試運転からトラブルが相次ぐなか、安定した運転を行えるのか不透明です。
福島第一原発では、たまり続ける高濃度の汚染水から放射性物質を取り除く浄化設備が今月17日から本格的な運転を始めましたが、設備のうち、「吸着塔」と呼ばれる装置にある油などを取り除く容器の周辺で放射線量が上昇し、僅か5時間ほどで停止しました。
東京電力は、放射性物質を含む油や汚泥が想定の量を超えて装置に流れ込み放射線量が上がった可能性があるとして、19日夜7時半から4時間余りにわたり、放射性物質が吸着する素材の性能を調べる実験を行いました。
東京電力は20日、実験結果を分析して原因を調べるとともに、油を取り除く機器を追加したり、汚染水の流量を調整したりするなどの対策を決めたうえで、本格的な運転を急ぐことにしています。
一方、この浄化設備が本格運転しないと、原子炉を冷やすための注水で1日500トンのペースで増え続けている汚染水が、あと1週間程度で施設からあふれるおそれがあり、東京電力は、原子炉への注水の量を減らすことも検討しています。
汚染水対策の鍵を握る浄化設備ですが、試運転から水漏れなどのトラブルが相次いでいて、安定した本格的な運転を行えるのか不透明な状態が続いています。

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