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6月17日のニュース

工程表見直し 1か月で安定冷却へ

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東京電力は、福島第一原子力発電所の事故の収束に向けた工程表の見直しについて、17日夕方、記者会見を開き、今後1か月で原子炉の安定的な冷却を目指し、汚染水を浄化したうえで原子炉に注水する「循環注水冷却」を近く始めるとともに、新たに「放射線管理と医療」という項目を追加し、今後、作業環境の改善を進めることになりました。
東京電力は17日午後4時半から記者会見を開き、ちょうど2か月前に発表した福島第一原発の事故の収束に向けた工程表について、作業の進展状況を踏まえて見直した内容を明らかにしました。
それによりますと、最大の課題の1つとなっている、たまり続ける汚染水を浄化したうえで原子炉を冷やす「循環注水冷却」を近く始め、今後1か月で原子炉の安定的な冷却を目指すとしています。
具体的には、17日夜に本格的に稼働した汚染水の浄化設備で、およそ11万トン以上たまっているとみられる汚染水を減らすとともに、処理した水を原子炉の冷却に再利用することを着実に実施することにしています。
また、核燃料が保管されている使用済み燃料プールについては、2号機では循環型の冷却装置の運転が先月から始まっているほか、1号機と3号機、それに4号機についても、注水や循環型の冷却装置などによって、今後1か月で「安定的な冷却」を達成したいとしています。
一方、新たな工程表では、「放射線管理と医療」という項目を追加し、課題となっている作業員の被ばくを減らしたうえで、夏に向けて作業環境の改善を進めることにしています。
具体的には、「放射線管理」の分野では、作業員の働く時間の管理を徹底すること、作業員の被ばく量を自動的に記録する仕組みを作ること、それに、内部被ばくを調べる設備を増やすことが盛り込まれました。
また「医療」の分野では、現場に24時間常駐する医師を増やすことや、休憩所を増やすことを目指すことにしています。
新たな工程表には、このほかにも、地下水への汚染拡大を防ぐため、地下に埋めて遮蔽する壁の設置を検討することや、汚染水の浄化設備から発生する高濃度の放射性廃棄物を適切に保管することなどが新たに書き込まれています。
記者会見で細野総理大臣補佐官は、来月中旬を目標にしている工程表のステップ1の原子炉の安定的な冷却の達成について「間に合うし、間に合わなければならないと思っている」と述べたうえで、10月中旬から来年1月中旬を目標しているステップ2の冷温停止の実現について「単に原子炉の温度が100度を切るだけでなく、放射性物質が外に極めて限定的にしか出ないということにしなければならない。できるだけ早く達成して、住民の皆さんに戻ってもらいたい」と話しました。

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