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6月10日のニュース

汚染水浄化装置 試運転に遅れ

  • 汚染水貯蔵タンク

東京電力は、福島第一原子力発電所で、たまり続けている高濃度の放射性物質に汚染された水を浄化する装置について、試運転を10日から始めるとしていますが、装置の一部に不具合が見つかり、開始が遅れています。
東京電力は、福島第一原発で高濃度の汚染水を移送している「集中廃棄物処理施設」などに、汚染水の浄化装置を設置する作業を進めています。
浄化装置は、▽「ゼオライト」という鉱物などを使って放射性のセシウムを取り除く装置や、▽特殊な化学物質を使って放射性物質を取り除く装置などで構成されています。
汚染水の放射性物質の濃度を、1000分の1から1万分の1程度に減らすとともに、油や塩分も取り除くとしています。
東京電力は、敷地内のタンクに保管している比較的、濃度の低い汚染水を使った試運転を10日から始めるとしていますが、装置の一部に不具合が見つかり、開始が遅れています。
試運転は1週間ほどかけて行われ、それぞれの装置の機能を確かめたあと、全体の装置を同時に動かすことにしていて、東京電力は、試運転で問題がなければ、装置を本格的に稼働させたいとしています。
福島第一原発では、原子炉建屋やタービン建屋の地下などに10万5000トン以上の高濃度の汚染水がたまっているとみられ、原子炉への注水で1日500トン余りのペースで増え続けています。
早ければ今月25日にも、トレンチと呼ばれるトンネルの縦穴から汚染水があふれるおそれがあると予測されています。
東京電力は、この浄化装置で1日に1200トン、1年間で、今後、処理が必要になると予想されるおよそ25万トンの高濃度の汚染水を処理し、原子炉の冷却に使うことで、たまり続ける汚染水の処理を急ぎたいとしています。

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