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6月8日のニュース

“原発安全対策 見直し必要”

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、日本政府は、IAEA=国際原子力機関の閣僚級会合に提出する報告書をまとめました。
原子力の安全に関わる行政組織が分かれているために責任の所在が不明確で、事故への対応などに問題があったと認め、原子力安全・保安院を経済産業省から独立させるなど原子力の安全対策を根本的に見直す必要があると結論づけています。
報告書は7日夜に開かれた政府の原子力災害対策本部で正式に決定しました。
報告書は、本文だけで300ページ余りにわたり、はじめに、今回の事故について、「世界の原子力発電の安全性に懸念をもたらす結果となったことを反省し、世界の人々に、放射性物質の放出について不安を与える結果になったことをおわびする」としています。
そして、事故の経緯や事故の収束に向けた取り組みを整理するとともに、今回の事故で得られた28の教訓を挙げています。
このうち、炉心が損傷する深刻な事故となったことについては、こうした事故への備えが事業者の自主的な取り組みとされていたことや、原子力安全委員会が策定した指針が19年前に出来て以降、一度も見直されてこなかったことを問題視しています。
そして、今後は、自主的ではなく、法律による規制の対象とするなどの見直しを進めるとしています。
また、使用済み燃料プールの冷却機能が失われたことについては、原子炉の事故に比べて燃料プールの事故のリスクは小さいとして、対策が検討されてこなかったとして、電源が失われても確実に冷却できる方法を確保することなどを教訓として挙げています。
さらに、地元自治体や周辺住民に放射線による健康への影響などを分かりやすく説明ができず、かえって住民に不安を与えたことなどを挙げて、情報の公表については、今後のリスクも含めて示すなどとしています。
そのうえで、原子力の安全に関わる行政組織が、原子力安全・保安院や、内閣府の原子力安全委員会などに分かれているため、責任の所在が不明確で、事故への対応に問題があったと認め、原子力安全・保安院を経済産業省から独立させるなど行政組織の見直しに取り組む方針を示しています。
そして、これらの教訓を踏まえ、「原子力の安全対策の根本的な見直しが不可避だ」と結論づけています。
対策本部の会議で、菅総理大臣は「事故について、国際社会に徹底した透明性を持って伝えていくことが日本の信頼を取り戻すうえで何より重要だ」と述べました。
この報告書は、7日、IAEAに提出され、今月20日からウィーンで開かれるIAEAの閣僚級会合で日本政府が報告することになっています。

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