東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース

6月7日のニュース

保安院解析 水素発生量も上回る

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、1号機から3号機の原子炉では核燃料の損傷が始まった直後に水素が急激に発生し、およそ800から1000キログラムに達していたとする解析結果を、経済産業省の原子力安全・保安院が公表しました。
東京電力の解析結果を上回る量で、大量の水素が水素爆発の原因になったとみられています。
原子力安全・保安院は、先月、東京電力から提出された福島第一原発の事故についての記録などを基に事故の経緯について独自に解析しました。
それによりますと、水素爆発が起きた1号機では、地震から2時間後に核燃料が水面から現れ始め、その1時間後には燃料を覆う金属の管が酸化し、およそ1000キログラムの水素が急激に発生したとしています。
また、1号機と同じく水素爆発が起きた3号機でも地震からおよそ43時間後に燃料の損傷が始まり、およそ750キログラムの水素が急激に発生し、最終的には1000キログラムに達したとしています。
一方、水素爆発の発生がはっきりしていない2号機でも地震から77時間後に燃料が損傷し、およそ800キログラムの水素が急激に発生したとしています。
発生した水素の量は、いずれも東京電力が先月明らかにした解析結果を上回っていて、1.3倍から2.3倍に上っています。
原子力安全・保安院は、解析結果が異なったことについて「東京電力は溶け出した核燃料が金属の管を覆うことで酸化しにくくなり、水素の発生が抑えられたという前提で解析したためではないか」としており、こうした大量の水素が原子炉建屋や格納容器の損傷につながった可能性があるとみています。
原子力安全・保安院の解析では、核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きて原子炉が損傷した時期についても、1号機では地震からおよそ5時間後で、東京電力の解析よりも10時間早かったとみられています。
こうした解析結果は20日にウィーンで開かれるIAEA=国際原子力機関の閣僚級会合で日本政府が提出する報告書に反映される予定です。

6月7日のニュース一覧