東京電力福島第一原子力発電所の事故で、高濃度の放射性物質に汚染された水が相次いで海に流出した問題を受けて、東京電力は、流出の再発を防止する対策を今月中に終えるとする計画をまとめました。
福島第一原発では、4月は2号機で、5月は3号機で高濃度の放射性物質に汚染された水が「ピット」と呼ばれる作業用の穴などを通じて海に流出しているのが見つかりました。
いずれもタービン建屋から流出したとみられ、東京電力は、2号機と3号機のピットをコンクリートで埋めるなど流出を止める工事を行ったうえで、再発を防止するための調査や追加の対策を進めています。
調査の結果、タービン建屋から流出した汚染水の経路となりうるのは、トレンチと呼ばれるトンネルの縦穴が合わせて5か所。
ピットが合わせて39か所あることがわかりました。
東京電力では、すでにこれらのトレンチやピットをコンクリートで埋めるなどの工事を進めていて、終わっていない17か所のピットの工事のほか、汚染水の流出経路になりうる護岸の亀裂の補修などの対策を今月中に終えるとする計画をまとめ、経済産業省の原子力安全・保安院に報告しました。
福島第一原発のタービン建屋などでは、たまっている汚染水の水位が上昇していて、梅雨の大雨でさらに汚染水が増えるおそれがあることから、東京電力では、汚染水の保管場所の確保や浄化装置の導入と合わせて対策を急ぐことにしています。
汚染水流出防止 “今月終了”
6月2日18時55分更新
- 2号機
- 3号機