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5月18日のニュース

首相 原子力行政を根本改革へ

菅総理大臣は18日夜、記者会見し、日本の原子力行政について、原子力の推進とチェックする機関が、ともに経済産業省に属していることは問題があるとして、原子力安全・保安院の経済産業省からの分離も念頭に、今後、原子力行政の在り方を根本的に改革する必要があるという考えを示しました。
この中で、菅総理大臣は、日本の原子力行政のあり方について、「原子力を推進する立場とチェックする立場が、ともに経済産業省に属していた。近くスタートさせる『事故調査委員会』で、長年の原子力行政の在り方そのものも十分に検討して、根本的な改革の方向性を見いだしたい」と述べ、東京電力福島第一原子力発電所の事故の原因を検証する「事故調査委員会」で、原子力安全・保安院の経済産業省からの分離も念頭に、今後、原子力行政の在り方を根本的に改革する必要があるという考えを示しました。
そのうえで、菅総理大臣は、今後のエネルギー政策について、「原子力については、今回の事故を踏まえて、徹底的に安全性を高める検討していかなければならない。同時に、新たに加わる自然エネルギーと省エネルギーは、世界をリードするイノベーション・技術革新につながる分野だ。わが国が、環境エネルギーの先進国のリーダーとしての役割を果たせるようにしていきたい」と述べました。
また、菅総理大臣は、東京で開催される、日本・中国・韓国の3か国による首脳会議にあわせて、中国の温家宝首相と韓国のイ・ミョンバク大統領が、被災地に入り、被災者のお見舞いをすることになったことを明らかにしました。
一方、菅総理大臣は、点検のために運転を見合わせている原子力発電所の再稼働について、「現在、各電力会社に対して、緊急の安全措置をしっかり行うよう指示しており、安全措置がしっかりと講じられ、安全性が確認されたものについては、従来の方針に沿って、稼働を認めていくことになる」と述べました。
また、菅総理大臣は、今回の事故に対する東京電力の賠償について、「法律が成立するかどうかにかかわらず、賠償そのものはきちんと進める」と述べたうえで、東電を支援するための法案の提出時期については、「東電の清水社長が『早い成立を願う』という見解を示していることも含めて検討しているところだ」と述べました。
そして、電力会社の発電部門と送電部門の分離について、「自然エネルギーを大きな割合で受け入れるときに、どういう態勢が必要になるのかは、今回の事故の調査の時点で、そこまで踏み込むことは難しいが、今後、エネルギー基本計画を考えるときに議論すべきだ」と述べ、エネルギー基本計画の見直しの際に、検討の対象にすべきだという考えを示しました。
また、電力会社の経営形態について、「通信事業でも地域独占でない形での事業が生まれており、そういう在り方も含めて議論する段階がくる」と述べました。
さらに、菅総理大臣は、今年度の第2次補正予算案について、「本当に急ぐものがいろいろと提案されてきた場合、1次補正で不十分なら考えないといけない。その中身によって、しっかり検討したい」と述べ、必要があれば、今の国会に提出を検討する考えを示しました。
そのうえで、来月22日に会期末を迎える、今の国会の会期を延長するかどうかについて、「まだ、いくつかの重要法案が残っているが、現時点で会期をどうするか、結論は出していない」と述べました。

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