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5月13日のニュース

1号機冷却 作業見直し迫られる

核燃料が溶け落ちる、いわゆる“メルトダウン”が起きていたことが分かった東京電力福島第一原子力発電所の1号機では、当初の計画に沿って循環型の冷却システムの構築に向けた機器の搬入が13日から始まりましたが、原子炉の安定的な冷却を目指す作業は見直しを迫られています。
福島第一原発の1号機では、原子炉の水位が、燃料が完全に露出する位置だったことが分かり、東京電力は、12日、燃料の大半が溶けて下に落ちる、いわゆる“メルトダウン”が起きていたとみられることを明らかにしました。
13日午前5時の時点でも、原子炉の水位は本来の燃料の位置よりもさらに1メートル以上下にあるとみられますが、原子炉の表面温度は114.3度で、燃料は下にたまって冷えつつあるとみられます。
東京電力が先月発表した事故の収束に向けた工程表では、原子炉の冷却機能の回復を目指して▽格納容器を水で満たす「冠水措置」の実施と、▽熱交換器を使った循環型の冷却システムの構築が計画され、この計画に沿って熱交換器の機器の一部を構内に搬入する作業が13日から始まりました。
しかし、現在の作業計画では、冠水措置がある程度進んで格納容器の中の水位がおよそ5メートルの高さに達しないと、熱交換器に水を送ることができないのに対して、格納容器の水位は今も分からず、東京電力は、どうすれば水位を把握できるか検討を急ぎたいとしています。
さらに「冠水措置」については、水を満たす目標としていた位置に燃料が存在しないことなどから、東京電力は、見直しが必要だという見解を示していて、原子炉の安定的な冷却を目指す作業は見直しを迫られています。

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