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5月11日のニュース

3号機 「ピット」に汚染水流れ込む

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11日午前、東京電力福島第一原子力発電所の3号機の取水口付近にある「ピット」と呼ばれる施設に、放射性物質を含む水が流れ込んでいるのが見つかりました。
水に含まれる放射性のセシウムの濃度は国の基準の62万倍に上り、東京電力は、高濃度の汚染水が海に流出したとみて、水を止める対策を行うとともに、流出が続いていないか監視を強めています。
11日午前10時半ごろ、福島第一原発の3号機の取水口付近にある、ピットと呼ばれる施設に水が流れ込んでいるのを、作業員が見つけました。
このピットには、電線を通す直径10センチほどの管の出口が縦に3列、横に4列並んでいて、地上から80センチほど下にある、最も下の列の管から水が流れ出ていました。
東京電力が水を採取して調べたところ、1cc当たり、▽セシウム134が国の基準の62万倍に当たる3万7000ベクレル、▽セシウム137が基準の43万倍の3万9000ベクレル、▽ヨウ素131が基準の8万5000倍の3400ベクレル、検出されました。
さらに、ピット近くの海に設置された特殊なフェンスの内側からは、1cc当たり、▽セシウム134が基準の3万2000倍の1900ベクレル、▽セシウム137が基準の2万2000倍の2000ベクレル、▽ヨウ素131が基準の4800倍の190ベクレル、検出されました。
東京電力は、水が流れ出ていた管の出口を特殊な布で塞いだうえで、ピットをコンクリートで埋める工事を行い、午後6時45分ごろ、流出を止めたとしています。
東京電力は、高濃度の汚染水が海に流出したとみて、経路などを詳しく調べるとともに、ほかの場所でも流出が続いていないか、監視を強めることにしています。
これについて、原発事故を担当する細野総理大臣補佐官は、11日開かれた記者会見で、「極めて重大な問題だと考えている。汚染水が外部に出ないように対応してきたが、防げなかったことになる。流出を止めるよう努力したい」と述べました。
放射性物質を含む水の流出は、先月2日、2号機で、今回と同じような、ピットと呼ばれる施設のひび割れから高濃度の汚染水が海に流れ出ているのが確認されています。
その際には、「水ガラス」と呼ばれる特殊な薬剤を使って水の通り道を塞ぐ作業を行いましたが、流出が止まるまで発見から5日間かかり、海への放射性物質の汚染が問題となりました。
東京電力は、3号機のピットでは、がれきが散乱するなどしていたため、これまで状況を確認できなかったとしています。

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