東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース

4月20日のニュース

汚染水移送 安定化への作業本格化

  • 2号機
  • 4号機

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、タービン建屋などにたまっている高濃度の汚染水を別の施設に移し替える作業が、19日、始まりました。
汚染水から放射性物質を取り除く水処理施設の建設計画も具体的に検討が始まり、原発の安定化に向けた工程表の作業が本格的に動き出しています。
福島第一原発では、建物の中や敷地内で放射性物質に汚染された水が大量に見つかっていて、東京電力の推計で合わせて6万7500トンあるとされ、復旧作業の妨げとなっています。

このうち、2号機のタービン建屋の地下やトレンチにたまっている2万5000トンの汚染水を移す作業が19日から始まり、4号機の建屋近くにある「集中廃棄物処理施設」までおよそ800メートルのホースをつないで移送しました。
計画では来月中旬までに1万トンを移送する予定で、19日は午後6時の時点でおよそ96トンの水を移した計算でしたが、トレンチの水位は移送前と比べほとんど変わらなかったということです。
東京電力では、移送作業を続けながら、トレンチに流入する汚染水の量を監視することにしています。
一方、大量にたまっている汚染水は、保管できる場所が限られているうえ、原子炉への注水を続けるかぎり増え続ける懸念があり、東京電力は、事故の収束に向けた道筋を示した工程表でも、大きな課題の一つに挙げています。
この中では、複数の保管先を確保するとともに、汚染水から放射性物質を取り除き、きれいになった水を原子炉に再び戻すシステムを、対策として挙げています。
このシステムを巡って、19日、フランスの原子力企業「アレバ」社が記者会見し、高濃度の汚染水から放射性物質を取り除く施設を福島第一原発の中に設置することを明らかにしました。
「アレバ」社や東京電力によりますと、この施設が処理できる汚染水は1日に1200トンで、ことし6月に稼働させ、処理した水を原子炉で再利用するシステムを、ことし7月をめどに作るということです。
事故から1か月余り、ようやく復旧に向けた作業が本格的に動き出したといえ、東京電力の工程表どおりに作業が進むかどうかは、まずは汚染水の移送作業が順調に進むかにかかっています。

4月20日のニュース一覧