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4月16日のニュース

“来週にも移送先の確保を”

  • 汚染水貯蔵タンク
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東京電力の福島第一原子力発電所では、2号機の屋外にある高濃度に汚染された水の一部を「復水器」に移送した結果、満水の状態に近づいて、これ以上の移送はできなくなりました。
東京電力は、来週中にも本格的な移送先を確保したいとして作業を急いでいます。
福島第一原発の2号機では「トレンチ」と呼ばれるトンネルにたまった汚染水の一部を復水器に移送したあとも汚染水の水位の上昇が続き、15日午後6時の時点で移送前を1センチ上回りました。
復水器には、およそ3000トンの水が入るはずでしたが、およそ660トンの移送を終えたあとに復水器の状態を確認したところ、半分以上、水が入っていたということです。

何らかのルートで復水器に水が流れ込んでいる可能性もあり、東京電力は、復水器にこれ以上汚染水を移送することはできないと判断したとしています。
こうしたなかで、本格的な移送先となる「集中廃棄物処理施設」では、東京電力が水漏れを防ぐ工事や点検を一両日中には終えたいとしていて経済産業省の原子力安全・保安院による確認をへて、早ければ来週中にも移送を始めたい考えです。
ただ、「集中廃棄物処理施設」に入れることのできる水の量はおよそ3万トンなのに対して、高濃度の汚染水は、2号機だけでなく、1号機や3号機のタービン建屋などでも見つかっていて、合計は少なくとも5万トンに上るとみられています。
このため東京電力は、水を入れる仮設タンクの設置を急ぐとともに、汚染水の濃度を下げる処理ができないか検討を始めていますが、汚染水を除去して冷却機能の回復に向けた作業に本格的に取りかかれるのがいつになるのか、先行きの見通せない状態が続くことになります。

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