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4月8日のニュース

1号機 震災の夜燃料露出直前

東京電力、福島第一原子力発電所の事故で、1号機では、先月11日の地震当日の夜までに原子炉の水が核燃料が露出する直前まで減り、安全のために最も大切な「冷やす機能」を十分に保てなかったことが、NHKが入手した資料で分かりました。
専門家は「その後さらに水が減り、核燃料が露出したことで、地震の翌日という早い段階で水素爆発が起きたのではないか」と指摘しています。
NHKが入手した資料には、地震当日の先月11日に福島第一原発の1号機から3号機で測定された原子炉の「水の高さ」や「圧力」などの値が示されていますが、東京電力などは、これまで地震の翌日以降の値しか公表してきませんでした。
資料によりますと、1号機では、地震発生から7時間近くたった午後9時半に、原子炉の中で核燃料が露出するまでの水の高さが残り45センチとなり、通常の10分の1程度に減っていたことが分かりました。
1号機から3号機では、地震と津波によってすべての電源が失われ、2号機と3号機では非常用の装置で原子炉を冷やし、水の高さが4メートル前後に維持されていました。
これに対し1号機では、地震当日の夜までに、すでに安全のために最も大切な「冷やす機能」を十分に保てなかったことになります。

また核燃料が水から露出するまで、2号機と3号機では、地震から1日半から3日程度かかっているのに対し、1号機では18時間ほどしかありませんでした。
東京大学の関村直人教授は「1号機では、『冷やす機能』が維持できなくなったあと、さらに水が減り核燃料が露出したことで、地震の翌日という早い段階で水素爆発が起きたのではないか」と指摘しています。
一方、東京電力は「調査はこれからで詳しいことは分からない」と話しています。

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