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4月1日のニュース

放射性物質 気象により関東に

東電福島第一原子力発電所から放出された放射性物質が各地の水道水などから検出されたことを受けて、専門家が分析したところ、風向きや雨が降るタイミングによって関東各地にも届くとみられることが分かりました。
各地の浄水場では、雨が降ったあとに取水を制限するなどの対策を行っています。
分析をしたのは、名古屋大学大学院の山澤弘実教授で、関東各地の放射線量を調べたところ、東電福島第一原発から放出された放射性物質は、これにまでに主に2回、微量ながら関東地方に到達していたとみられることが分かりました。
▽1回目は、先月14日に東電福島第一原発3号機が水素爆発した翌日の15日から16日にかけてで、宇都宮市、水戸市、前橋市、そして東京・新宿などの値が順に高くなっていることから、放射性物質を含んだ空気が北風に乗って南下し、徐々に広がったとみています。
▽2回目は、再び同じ風向きになった先月20日から21日にかけてで、まず水戸市と千葉県内、そして翌日に東京・新宿、前橋の順に値が上昇していました。
放射性物質が太平洋沿いを南下し、千葉県、東京まで達したあと、風向きが北西方向に変わり、群馬県にも達したということです。
また、山澤教授はこの日、関東地方で広い範囲で雨が降ったことから、大気中の放射性物質が地表に落ちて川に流れ込み、各地の浄水場で検出されたと指摘しています。
厚生労働省は、水道事業者に対して、雨によって放射線量が上がるのを防ぐよう呼びかけています。
宇都宮市の浄水場では、雨が降り始めると、鬼怒川上流からの取水を見合わせているほか、千葉市の浄水場でも、雨の日は沼からの取水の見合わせを検討しています。
さらに、福島県川俣町の浄水場では、水の中の汚れの成分を集める施設に雨水が入らないようシートと板で覆っています。
山澤教授は「これから梅雨にかけては、風向が南向きの日が増えるため、関東地方に流れやすくなるが、今のところ関東地方の放射線量は非常に低く、心配するレベルではない」と話しています。

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