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3月28日のニュース

防衛省 原発の最新映像を公開

防衛省は、陸上自衛隊のヘリコプターが上空から福島第一原子力発電所を撮影した最新の映像を、先週に続いて27日も公開しました。
映像には、大きく損傷した3号機や4号機などの様子が、先週公開されたものよりも鮮明に映し出されています。
公開されたのは、陸上自衛隊のヘリコプターが、27日午前10時前から20分間にわたって撮影した福島第一原子力発電所の映像を4分余りに編集したもので、1号機から4号機の様子が映し出されています。
このうち、1号機は、水素爆発によって建屋の天井が崩れ落ちていることが確認できます。
2号機は、屋上に複数の穴が開き、そこから水蒸気とみられる白い煙が上がっているほか、壁に亀裂のようなものが入っていることが分かります。
3号機は、建屋の上部が鉄骨を残すだけになっており、中から水蒸気が上がっています。
4号機は、建屋の壁が崩落しているため、クレーンとみられる緑色の機器や、ボールのような形をした黄色い構造物がむき出しになっています。
さらに、建物のところどころから水蒸気が激しく吹き出していることも確認できます。
自衛隊は、今回の事故が起きてから航空機で原発の状況を継続的に撮影しており、映像を公開したのは今回が2回目です。
自衛隊は、引き続き、ヘリコプターによる上空からの撮影を行い、原発の状況を確認することにしています。
映像について、東京大学の関村直人教授は「水素爆発によって3号機の原子炉建屋が特に激しく壊れていて、天井部分にあるはずの燃料を移動させるクレーンが、燃料プールの上に落下しているように見える。プールの水位や燃料そのものは見えないが、落下したクレーンによって燃料棒が破損している可能性もあり、その場合、中に閉じ込められていた放射性物質が外に出てしまうおそれもある」と指摘しました。
また、4号機については、「黄色い原子炉格納容器のふたや、その近くに圧力容器のふたが確認されるが、いずれも定期検査のために原子炉から取り外していたもので、爆風で飛ばされた形跡は見られない。また、放水のために使っているポンプ車の赤いアームが燃料プールの真上に伸びているのが確認され、水蒸気が上がっていることから、冷却に一定の効果が出ているとみられる」と話しました。
このほか、「原子炉が入った建物から少し離れた別の建物の壁までが爆風で崩れ落ちていることから、水素爆発の大きさを物語っている」と話しています。

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