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3月15日のニュース

福島第一原発 予断を許さない状況

十分な冷却機能が確保できなくなっている東京電力の福島第一原子力発電所では、14日、2号機で、原子炉を冷やす水の高さが下がって、燃料棒がすべて露出した状態になり、一部が溶けたとみられています。
また、3号機では水素爆発とみられる爆発が起きて、原発の作業員と自衛隊員のあわせて11人がけがをしました。
東京電力は原子炉を安全に停止させるため、海水を流し入れて冷却を急いでいますが、予断を許さない状況が続いています。
2号機では、原子炉に水を入れるポンプが停止したことで、14日午後6時半ごろから2時間20分にわたって燃料棒がすべて水の上に露出した状態になり、一部が溶けたとみられています。
職員が監視のために離れた間にポンプの燃料がなくなったのが原因で、その後ポンプを動かした結果、水位が上昇しました。
しかし、14日午後11時ごろになって、原子炉の中の圧力が高まって燃料棒を冷やすための水が注入できなくなり、炉内の水位が急激に下がって再び燃料棒がすべて露出した状態になりました。
その後、午前1時すぎから注水ができるようになりましたが、午前3時現在も水位の上昇は確認されておらず、燃料棒が露出した状態が続いているとみられます。
3号機は、14日午前11時すぎ、爆発が起きて原子炉建屋の天井や外壁が吹き飛びました。
14日以降、原子炉を冷やす水の水位が下がって、燃料棒が水面の上に露出し、大量の水素が発生した可能性が高いことから、13日の1号機と同じように水素爆発が起きたとみられます。
しかし、敷地周辺の放射線の量の値は異常な上昇がないため、国や東京電力は、原子炉を覆う格納容器は機能を維持しているとしています。
現在、原子炉内の圧力は安定しているということで、一時中断していた原子炉を冷やすための海水の注入を15日午前3時に再開し、冷却を続けています。
この爆発で、原発の作業員と自衛隊員のあわせて11人がけがをしました。
13日に爆発が起きた1号機は、原子炉を冷やすために原子炉とそれを覆う格納容器の中に海水を満たす作業が続けられていましたが、14日未明に、海水をくみ上げるポンプが動かなくなり、注入作業が中断しました。
その後、ポンプなどの資材が整ったため、15日午前0時ごろから再び海水を入れる作業を再開しました。
現在、原子炉の水位や圧力などは安定しているということで、東京電力は原子炉を安全に停止させるため冷却を急いでいます。
一方、福島第二原発については、1号機と2号機、4号機のあわせて3基で、海水をくみ上げて原子炉内の水を冷やすポンプが津波の影響で動かなくなり、内部を冷やす機能が十分に確保できない状態が続いていました。
しかし、ポンプを動かすモーターを交換するなどした結果、1号機と2号機は冷却機能が回復し、14日午後4時までに原子炉の温度が100度以下にまで下がって、安全に停止したことが確認されました。
残る4号機についても、順調に温度が下がっているということです。
地震の発生から5日目を迎え、第二原発では状況が改善してきたものの、第一原発の3基は、依然として予断を許さない状況が続いています。

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