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林業に携わる人の数は40年前の3分の1ほどに減り、担い手不足が深刻です。いま、最先端の技術を使った「スマート林業」の導入が進んでいます。どんな技術なのでしょうか。
最も高く売れる切り方 ICTがアシスト
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岡山県新見市の山林。長さ20メートルのヒノキをわずか1分足らずで適切な長さに切断する機械が稼働していました。県内の林業会社が3000万円かけてフィンランドから導入したものです。
この機械の特徴は、最も高く売れる切り方を自動で算出する機能です。
木材はその時の需要に応じて価格が変わります。例えば長さ14メートルの木では、幹の左の太いほうを4メートルずつ、細いほうを3メートルずつに切った場合は5180円。その逆に切った場合は5660円で、合計の売値が数百円分変わってくるケースもあるということです。
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この機械は、事前に市場の取り引き価格を打ち込むと、瞬時に測りながら、最も高く売れる切断のタイミングを緑色に表示して教えてくれます。
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操縦する人は、画面が緑色になったタイミングに合わせて切断するだけです。
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これまでは熟練の職人の経験や勘に頼ってきましたが、この機械を導入することで、若手社員にも作業を任せられるようになりました。
林業会社 杉 光太郎 社長
「5年10年かけて習熟していく技能が、ICT(情報通信技術)でアシストをかけることによって、林業を始めた方からできる」
パトロールや運搬担うロボット
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ロボットを導入して山の中での作業を効率化しようという取り組みもあります。栃木県塩谷町で開かれた林業関係者などに向けた研修会で、四足歩行型のロボットが登場しました。
人がコントローラーで操作するほか、搭載されているカメラで障害物などを感知しながら自動で進むこともできます。
山林を荒らすイノシシなどのパトロールや、資材の運搬などで活躍が期待されているということです。人では負担が大きい場所でも活躍できそうです。
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栃木県 林業木材産業課 上野晴子 課長補佐
「若い方にも林業をやっていただきたいと思ったときに、少しでも機械化されていれば新しい人も入りやすいのではないか」
木の高さ・太さ レーザーで解析
ほかにも各地でスマート林業の取り組みが進んでいます。例えば、森林にレーザーをあてることで、木の高さや太さが瞬時に分かる技術です。
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こうした最新技術が林業の担い手不足の改善につながるか、期待されます。
(岡山局 山田俊輔、宇都宮局 梶原明奈)
【2024年6月12日放送】