12月大雪 久万高原町で透析患者立往生し死亡

この冬一番の非常に強い寒気の影響が懸念される中、12月の大雪で愛媛県の透析患者の男性が、病院で透析をうけたあと、車で帰宅途中に積雪で立往生して亡くなったことが警察関係者などへの取材でわかりました。専門家は「大雪のなかで、透析患者が1人で移動するのは非常に危険だ」と指摘しています。

愛媛県久万高原町では、12月22日から23日にかけて、記録的な大雪を観測し、2人が犠牲になりました。このうちの1人、城山栄治さん(69)は、12月23日の夜、雪の中で倒れているのが見つかり、病院へ搬送されましたが、低体温症で亡くなりました。
その後の警察関係者や遺族などへの取材で城山さんは、腎不全のため透析をしていて、亡くなった当日も松山市内の病院で透析を受けたあと、車で帰宅途中に積雪で立往生していたことがわかりました。
NHKが入手した城山さんの車のドライブレコーダーの映像には、22日の午後4時半ごろ、自宅近くの道路で立往生して車が動かなくなっている様子がうかがえます。
このあと城山さんは、車を置いて徒歩で帰宅しようとしていたとみられ、午後8時半ごろに雪の中で倒れているのを通行人に発見されました。
災害時の透析患者への医療について詳しい、日本透析医会の赤塚東司雄医師は、「大雪のなかで、透析患者が1人で移動するのは非常に危険だ。ふだんから雪の降る地域とそうでない地域では、災害への意識の差もある。どこでも同様の事案が起きる可能性もあり、再発防止に向けて行政や医療機関で検証してほしい」と指摘しています。