厚木市の2児放置死亡事件 母親に懲役3年6か月の判決
去年7月、神奈川県厚木市で車の中に幼いきょうだい2人を放置して死なせた罪に問われた母親に対し横浜地方裁判所小田原支部は「2人が死亡した結果は重大だが不幸が重なった面があることは否定できない」などとして懲役3年6か月の判決を言い渡しました。
長澤麗奈被告(22)は、去年7月、厚木市内の交際相手の家を訪ねた際に、車の中に長女の姫梛ちゃん(2)と弟の煌翔くん(1)を放置して熱中症で死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われました。
8日の判決で横浜地方裁判所小田原支部の木山暢郎裁判長は「車の冷房をかけていたが、子どもの様子を一度も確認せず、交際相手と一緒にいることを優先したのは非難を免れず、結果も重大だ」と指摘しました。
一方で、「冷房に過度に期待したことなどいくつかの不幸が重なった面があることは否定できない。悪意などは全く見られず、無知や未熟で、危険に対する意識が薄かった。犯罪の事情は特に重いものではない」として懲役8年の求刑に対して、懲役3年6か月の判決を言い渡しました。
言い渡しのあと、裁判長は「母親や大人として知らないことが多いので、自分の世界や社会経験を広げて更生してほしい」と説諭し、被告は涙を流しながら「はい」と述べました。