政府系金融機関「商工中金」と3信金が県内初の協調融資

政府系金融機関の「商工中金」が県内の3つの信用金庫と連携して、下関市の介護事業者に5億円余りの協調融資を行うことになりました。
政府系金融機関と県内すべての信用金庫による協調融資は、県内では初めてです。

「商工中金」と県内の3つの信用金庫が協調融資を行うのは、下関市で介護サービス事業を手がける「セービング」です。
下関市内で50の介護施設を運営するこの会社は、今回、宇部市に新たな有料老人ホームを建設する予定で、その資金として5億5000万円を融資することになりました。
高齢化が進み介護サービスのニーズが高まるなか、施設の利用者の管理にデジタル技術を積極的に活用していることや、職員の基本給を1万円上げ、労働環境を改善していることなどを評価したということです。
今回は、すべての金融機関が同じ条件で貸し付けを行ういわゆる「シンジケートローン」で融資が行われ、こうした協調融資は県内では初めてだということです。
地方の信用金庫にとっては全国に支店を持つ金融機関と組むことで、新たな収益を確保しつつ、融資のリスク分散につなげることができ、金融環境が厳しさを増すなか、新たな融資の手法として注目されています。
商工中金下関支店の稲木聡支店長は、「お互いの強みを生かして、中小企業の発展に向けて後押しをしたい」と話していました。