新型コロナ「5類」移行から半年 冬を前に対策が課題に

新型コロナウイルスの扱いが感染症法上の「5類」に移行されてからあす(8日)で半年です。
新たな感染者は減少傾向にある一方、毎年冬には感染が拡大しており今後、どう対策を進めるか課題となっています。

新型コロナウイルスは、ことし5月、感染症法上の扱いがインフルエンザなどと同じ「5類」に移行し、▼法律に基づく外出自粛要請がなくなったほか、▼幅広い医療機関で患者を受け入れる体制を目指すなど、対応が見直されました。
こうした中、10月からは、県が確保する新型コロナの患者向けの病床は最大338床から重症の患者などに対象を絞り、68床に縮小されました。
また、これまで全額公費でまかなわれていた治療薬は、最大で9000円の自己負担が求められるようになり、病院などによりますと県内では治療薬の処方を断る患者も増えているということです。
支援が縮小する一方で、毎年冬には感染が拡大しており、今後、どう対策を進めるか課題となっています。

【感染者数 減少傾向続く】
新型コロナの和歌山県内の感染者数は、減少傾向が続いています。
県内では、ことし8月20日までの1週間で、1つの医療機関あたりの平均の患者数が17.8人と、5類へ移行したあとの感染者数のピークを迎えました。
その後、感染者数は減少傾向が続き、先月(10月)29日までの1週間では、平均の患者数は2.43人と前の週より1.81人少なく、ピークの1割余りとなっています。
保健所別にみますと、▼海南で8人、▼田辺で3.43人、▼橋本で3.17人、▼湯浅で2.5人、▼岩出で2人、▼新宮で1.67人、▼御坊で1.33人、▼和歌山市で1.27人、▼串本で1人となっています。
和歌山県健康推進課は、「例年のように今後冬にかけて感染が拡大するおそれがある。手洗いや換気など個人でできる基本的な対策を徹底してほしい」と話していました。

【熊野古道の観光客数回復】
県内の観光客も戻りつつあります。
このうち、世界文化遺産に登録されて来年7月で20年を迎える熊野古道でも多くの外国人観光客の姿が見られるようになりました。
このうち田辺市の熊野本宮大社では、7日朝からオーストラリアやカナダ、それにスイスなどから外国人観光客が訪れていました。
訪れた人たちは、歩きやすいトレッキングの服装をして熊野古道を歩き、大社では、大鳥居を写真に収めるなどしていました。
オーストラリアから夫婦で訪れた65歳の男性は、「初めて熊野古道を歩きました。とても穏やかな雰囲気で、すてきな場所だと思います。木々の景色や川の流れの音、すべてが気にいっています」と話していました。
カナダから訪れた28歳の男性は、「熊野古道を歩くと長い歴史を感じました。自然が多く静かなところだと感じました」と話していました。
スイスから夫婦で訪れた46歳の男性は、「熊野古道を歩くのは7回目です。今回は、初めて訪れる妻を連れてきました。東京や京都のように観光客で混雑しておらず、静かで穏やかな雰囲気が気に入っています」と話していました。
田辺市本宮町にある県世界遺産センターによりますと、コロナ禍で休館を余儀なくされた時期もあったということですが、センターを訪れる観光客数は増えていて、ことし9月は1万2457人と新型コロナ感染拡大前の令和元年の同じ時期と比べ97%と、ほぼ回復しているということです。