医療的ケア児 災害時に避難所で受け入れる訓練 日吉津村で
人工呼吸器など医療的なケアが必要な子どもを、災害時に避難所で受け入れる訓練が、鳥取県内で初めて日吉津村で行われました。
この訓練は、人工呼吸器やたんの吸引などが日常的に欠かせない「医療的ケア児」を、災害時に避難所で受け入れる際の対応を検証しようと、県と鳥取大学医学部附属病院、それに日吉津村などが行いました。
地震が発生したという想定で、村の社会福祉協議会の職員が、特別な配慮が必要な被災者を受け入れる「福祉避難所」をデイサービスセンターに開設し、医療的ケア児に見立てた人形が、家族に付き添われて車いすで到着すると、消毒や検温を行った上でベッドへと誘導しました。
ベッドのそばには、停電時でも使用できる非常用電源につながったコンセントが用意され、複数の医療機器が問題なく設置できるか確認していました。
医療的ケア児の避難所への受け入れ訓練が行われたのは県内で初めてで、医療機器の設置や家族が付き添うスペースが必要になるため、受け入れられる人数が限られるという課題が浮き彫りになりました。
訓練を監修した鳥取大学医学部附属病院の中村裕子医師は「想定より少ない人数しか入らないことが分かったのは訓練の成果だ。どういう人たちをどこで受け入れるのかを考えていく足がかりになったと思う」と話していました。